自分を知れば、相場が見える — 2年半かけて完成させたトレーディングセットアップ

初めて取引を始めたとき、私は他人のセットアップをそのまま真似していた。インジケーターも同じように設定し、エントリータイミングも同じように合わせた。それでも結果は違った。今思えば理由は単純だ — それは自分のセットアップではなかったから。

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という言葉がある。トレーディングでも同じだ。相場を分析する前に、まず自分自身を定義しなければならない。もちろん、それができたとしてもトレーディングに100%はない。しかし、自分を定義できないまま取引するのと、明確な基準を持って取引するのとでは、長期的に結果がまったく違ってくる。

取引において重要と言われるものがある。テクニカル分析、リスク管理、マクロ市況、経済指標 — どれも正しい。しかしそれらよりも先にやるべきことがある。自分がどんなトレーダーなのかを定義することだ。

2年半という時間をかけて定義した3つのことを、ここで公開する。

チャートを読む自分だけの言語 — 時間軸とインジケーターの設定

私が使う時間軸はたった2つだ。1時間足と6分足。
1時間足で現在のトレンド方向を読み、6分足でエントリータイミングを取る。ポジションの決済も基本的に6分足で行う。

日足チャートも毎日確認はする。しかし日足でテクニカル分析はしない。日足ベースでポジションを取るということは、スイングトレードを覚悟するということだ。スワップコストの発生に加え、アジア・欧州・米国と3回も相場の雰囲気が変わる中でそれをすべて耐え抜く取引は、機関投資家レベルでなければ現実的ではない。個人投資家なら、1日の中でポジションを決済するデイトレードスタイルが合っている。

なぜ1時間足と6分足なのか?

理由はボリンジャーバンドのデフォルト設定にある。ボリンジャーバンドはジョン・ボリンジャーが考案したインジケーターで、20期間移動平均線に標準偏差2を適用し、価格が動きうる範囲を確率的に視覚化したものだ。ここで重要なのは、20・120・240の移動平均線が各時間軸においてどの時間単位を意味するかだ。

移動平均期間6分足基準1時間足基準
20期間約2時間約1日(20時間)
120期間約半日(12時間)約1週間
240期間約1日(24時間)約2週間

こう解釈すると、2つの時間軸が異なる時間単位の流れを同時に確認できる組み合わせになる。6分足で短期の流れを読み、1時間足でその流れが週間トレンドとどれだけ一致しているかを確認する構造だ。

サブインジケーターはストキャスティクス1つだけ使う。

設定値は %K length 20 / %K smoothing 5 / %D smoothing 3 だ。スムージング値はさまざまな数値を試した上で、一目で解釈しやすい値に落ち着かせた。水平線は80・60・50・40・20の5本を設定し、80は買われすぎ、20は売られすぎ領域、50は中央値、60はショートポジションの押し目またはロングの利確水準、40はロングポジションの押し目またはショートの利確水準として解釈する。

80・50・20はデフォルト設定だが、60と40は自分で追加する必要がある。この設定でチャートを動かしてみれば、なぜこう設定するのかが一目でわかるはずだ。

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リスクは確率ではない — 失う金額を先に決めろ

多くの人がリスクを「お金を失う確率」だと思っている。しかしトレーディングにおけるリスクは確率ではない。今このポジションで損切りした場合に失う、確定した金額のことだ。

リスクを計算するとは、エントリー価格から損切り価格までの幅を数字に換算することだ。そしてリスクを管理するとは、その損失が証拠金の何パーセントを超えないようにロット数を調整することだ。これを決めておけば、どのポジションが損切りになっても、一度で口座が崩壊することはない。

RR比(リスクリワード比)については、少し考え方が違う。

多くの講義では「エントリー前に目標値を決め、RR比1:2・1:3を設定してから入れ」と教える。私は逆に考える。価格がどこまで動くかは誰にもわからない。あらかじめ目標値を決めることは、相場を自分の基準に当てはめる行為だ。

代わりに、設定したストキャスティクスを基準にポジションを決済する。

  • ロングポジションなら → ストキャスティクス60到達で一部利確、または80まで引っ張る
  • ショートポジションなら → ストキャスティクス40到達で一部利確、または20まで引っ張る

こうして取引の統計が積み上がれば、平均的なリワード値は自然に導き出される。RR比は取引を設計するための入力値ではなく、取引を振り返るための結果値だ。試しに計算してみると、1:1に近い値が出ることが多い。

この方法が成立する理由は、根本的に勝率が高いからだ。現在の取引基準で勝率は80%以上出ており、一部のポジションがマイナスで決済されて勝率が下がっても、全体基準では90%以上になる。勝率が高ければ、RR比を意識しなくても利益は自然に積み上がる。

ニュースは読まない — ローソク足だけを読む

正直に言うと、マクロ市況と経済指標は大きな方向性が出るタイミングを捉えるための手段に過ぎない。それ以上でも以下でもない。

経済指標の数値が予想より良かった・悪かった、メディアの雰囲気がポジティブかネガティブか — これと実際の価格が動く方向は、思った以上に無関係なことが多い。指標が良くて下落し、悪くて上昇するケースは珍しくない。重要なのは数値ではなく、市場参加者がそのイベントにどう反応したかであり、それがローソク足にそのまま表れる。

経済指標発表後、私が確認することはたった一つだ。そのローソク足が陽線か、陰線か、十字線(ドージ)か。

  • 陽線: 次のイベントまで買い方向を中心に考える
  • 陰線: 売り方向を中心に考える
  • 十字線(上下ヒゲが同程度): 次のイベントまで方向感なし、レンジ取引で対応

ニュースの見出しを解釈することにエネルギーを使うより、実際に価格がどう反応したかを見る方がはるかに有益だ。

セットアップとは、外れたときに理由がわかること

今でも取引を乱す日がある。しかし今は理由がわかる — 自分のセットアップから外れたからだ。

セットアップを定義するとは、利益を保証する魔法ではない。なぜ当たったのか、なぜ外れたのかを説明できる基準を持つことだ。その基準がなければ、利益が出ても理由がわからず、損失が出ても理由がわからない。基準なしに長く続けることは、運に頼るのと変わらない。

現在この方法論を適用した結果、MDD(Maximum Draw Down、証拠金対比最大損失率)は3%を超えておらず、毎月20%以上の利益率を記録している。過去2年間は年間累積損益がマイナスだった。当時は方法論がまとまっておらず、自分自身のトレードを定義できないまま、他人の結果に振り回されていた時期だった。

トレーディングの金銭的な数値については、今後もあまり公開しないつもりだ。結果に惑わされてプロセスを飛ばす人が出ることも懸念されるし、自分自身も他者の評価に揺らいで取引を乱したくないからだ。このブログでは**「うまく稼ぐ方法」より「うまくやる方法」**に集中していきたい。

次の記事では、実際のチャートを見ながらこのセットアップをどう適用するかを具体的に紹介する予定だ。

セットアップについて疑問がある方、ボリンジャーバンドやストキャスティクスの設定方法をもっと詳しく知りたい方はコメントで教えてください。ニーズがあれば次の記事で詳しく解説します。

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